施工前に知っておきたい!?上パテ・下パテが塗装品質を左右する理由!

そもそもパテ処理とは何か

 現場では石膏ボードを新しく施工した後に、下パテ・上パテと呼ばれる下地調整を行うことがあります。
例えば店舗改装や退去後の原状回復工事では、新しく張り替えた石膏ボードの継ぎ目やビス穴をパテで埋め、その後に塗装やクロス施工を行います。
一見すると白く平らに見えるボードでも、実際には継ぎ目の段差やビス頭のくぼみが無数に存在しています。
こうした凹凸をそのまま仕上げてしまうと、完成直後は綺麗に見えても、光の当たり方によって継ぎ目やビス跡が浮き出てしまいます。
今回はそんな仕上がりを左右する「下パテ」「上パテ」について、施工事例を交えながら詳しく解説していきます。

そもそもパテ処理とは、下地の凹凸や段差をなくし、塗装やクロスが美しく仕上がる状態へ整える工程のことを指します。
建物の仕上げ工事では塗料やクロスばかりが注目されがちですが、実際には下地の精度によって仕上がりの品質が決まります。
そのため職人は仕上げ材を施工する前に、パテを使って下地を平滑に調整していきます。

まず最初に行うのが下パテです。
下パテの役割は、ボードの継ぎ目やビス穴、欠損部分などの大きな凹凸を埋めることです。
石膏ボード同士の接合部には必ずジョイント部分が発生し、さらに固定用のビス頭も無数に存在します。
そのまま塗装すると段差が目立ってしまうため、充填性の高い下パテ材を使用して凹凸を埋めながら下地の形を整えていきます。
この工程は建物で例えると基礎工事のような存在です。
どれだけ上手に塗装しても、下パテの施工精度が悪ければ美しい仕上がりにはなりません。
しかし下パテだけでは完全な平滑面にはなりません。

パテは乾燥時にわずかに収縮するため、表面に細かな凹みやコテ跡が残ることがあります。
そこで行うのが上パテです。

上パテ下パテで整えた面をさらに平滑に仕上げるための工程です。
粒子の細かい仕上げ用パテを使用し、細かな傷や巣穴、わずかな段差を埋めながら面精度を高めていきます。
乾燥後には研磨作業を行い、手で触れても段差を感じない状態まで調整します。
特に塗装仕上げの場合、この上パテの精度が非常に重要になります。
クロスは多少の凹凸を隠すことができますが、塗装は下地の状態をそのまま映し出します。
壁面に照明や自然光が当たると、わずか数ミリにも満たない段差であっても影となって現れるためです。

最近では店舗や住宅でも塗装仕上げの壁が増えていますが、美しい塗装面の裏側には必ず丁寧なパテ処理があります。
また、パテ処理が不十分な場合には様々な不具合が発生します。
ボードの継ぎ目が線のように浮き出るジョイント痩せ、ビス跡の浮き、表面の波打ち、凹凸による光の乱反射などが代表例です。
こうした症状は塗装の問題と思われがちですが、実際には下地調整不足が原因となっているケースが少なくありません。

職人の世界では「仕上がりは塗る前に決まる」と言われています。
まさにその言葉通り、下パテで下地の形を整え、上パテで面精度を高めることで、初めて美しく長持ちする仕上がりが実現します。
完成後には見えなくなってしまう工程ですが、建物の品質を支える非常に重要な作業です。
塗装工事やリフォーム工事をご検討の際は、ぜひ仕上げ材だけでなく、その下にあるパテ処理にも注目してみてください。

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