含水率と木部塗装の関係とは?塗装が長持ちするかは木材の水分量で決まる!?

木材は呼吸する建材

 木部塗装を行う際、「塗料の種類」や「色選び」に注目される方は多いですが、実は塗装の耐久性を大きく左右するのが「含水率」です。同じ塗料を使用しても、木材の状態によって塗膜の寿命は大きく変わります。今回は、木部塗装では欠かすことのできない「含水率」について詳しく解説します。

含水率とは、木材の中に含まれている水分量を数値で表したものです。木は伐採された後も完全に水分がなくなるわけではなく、周囲の温度や湿度に応じて空気中の水分を吸収したり放出したりしています。この性質を「調湿性」といい、木材が呼吸していると言われる理由でもあります。

しかし、この調湿性は木部塗装にとって大きなポイントになります。例えば、雨が降った翌日や梅雨時期に木製の破風板や鼻隠し、木製雨戸などを触ると、表面が乾いていても内部には多くの水分が残っていることがあります。この状態で塗装を行うと、塗料は表面には密着しているように見えても、木材の内部に閉じ込められた水分が後から蒸発しようとするため、塗膜を内側から押し上げてしまいます。その結果、塗膜の膨れや剥がれ、ひび割れなどの施工不良が発生することがあります。

実際の現場でも、「まだ数年しか経っていないのに木部だけ塗装が剥がれてしまった」というケースがあります。原因を調査すると、塗料ではなく木材の含水率が高い状態で施工されたことが原因だったという事例は少なくありません。

特に新しく交換した木材は注意が必要です。新品だからすぐ塗装できると思われがちですが、加工・保管状況によっては内部に多くの水分を含んでいる場合があります。そのため、現場では木材の状態を確認し、十分に乾燥してから塗装を行います。

また、古い木材でも安心できるわけではありません。長年雨漏りや結露の影響を受けていた木材は、内部まで水分を含んでいることがあります。表面だけを見て判断すると施工不良につながるため、職人は木材の状態や施工環境を総合的に確認しながら塗装を進めています。

木部は季節によっても伸縮を繰り返します。夏場は湿気を吸収して膨張し、冬場は乾燥して収縮します。もし含水率が高い状態で塗膜を形成すると、その後の伸縮に塗膜が追従できず、細かなひび割れや塗膜の浮きが発生しやすくなります。

一方、適切な含水率まで乾燥した木材に塗装すると、塗料は木材へしっかり浸透し、付着力が向上します。さらに木材の動きにも追従しやすくなるため、美しい状態を長く維持することができます。木部塗装では「乾いているように見える」ことと、「塗装できる状態」であることは同じではありません。

見た目では分からない木材内部の水分量まで考慮して施工することが、長持ちする塗装には欠かせません。

塗料の性能だけに頼るのではなく、木材の状態や含水率、天候、気温、湿度などを総合的に判断しながら施工を行っています。

塗装の品質は、塗る技術だけで決まるものではありません。木材の状態を正しく見極め、最適なタイミングで施工することこそが、美しく長持ちする木部塗装につながるのです。

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