
赤錆は「ただの汚れ」とは限りません
外壁塗装の現地調査をしていると、モルタル外壁に赤茶色のシミや筋が出ている住宅を見かけることがあります。
外壁はモルタルなのに、なぜ錆が出るのでしょうか?
「赤い汚れが付いているだけかな」
「高圧洗浄をすれば落ちるのでは?」
「塗装すれば隠れるから問題ないのでは?」
そう思われる方もいるかもしれません。
しかし、モルタル外壁に現れる赤茶色のシミは、単なる汚れではなく、外壁内部にある金属部分の腐食が関係している場合があります。
今回は、モルタル外壁に赤錆が現れる仕組みから、なぜそのまま放置しないほうがよいのか、そして外壁塗装を行う際にはどのような点を確認する必要があるのかまで、塗装職人の目線から詳しく解説していきます。
そもそも、モルタル外壁に錆が出るのはなぜでしょうか?
モルタルそのものは金属ではないため、モルタル自体が錆びるわけではありません。
では、どこから錆が出てくるのでしょうか。
モルタル外壁の内部には、施工方法によってラス網などの金属製の部材が使用されていることがあります。
モルタルは、こうした下地の上に施工されているため、普段は外から金属部分が見えることはありません。
ところが、長年雨風や紫外線を受けることで外壁の塗膜が劣化したり、ひび割れが発生したりすると、そこから水分が内部へ入り込むことがあります。
金属部分に水分や空気が触れることで腐食が進み、そこで発生した錆が雨水などによって外壁表面へ移動します。
その結果、モルタルの表面に赤茶色の筋やシミとなって現れることがあります。
これが、一般的に「錆汁」と呼ばれる現象です。
赤錆は「ただの汚れ」とは限りません外壁に赤茶色の跡があると、最初は泥汚れや雨だれのように見えることがあります。
しかし、洗浄しても同じ場所から再び赤茶色の跡が出てくる場合には注意が必要です。
表面の汚れではなく、外壁内部の金属部分から錆が発生している可能性があるためです。
特に、赤錆が出ている周辺にひび割れや外壁の浮き、塗膜の剥がれなどが見られる場合は、単純な美観上の問題として考えないほうがよいでしょう。
外壁の表面だけを見るのではなく、「なぜここから錆が出ているのか?」という原因を考えることが大切です。
なぜ雨水が外壁内部に入り込むのか?
モルタル外壁は、長年の経年劣化によって少しずつ状態が変化していきます。
代表的なのが、外壁のひび割れです。
建物の動きや乾燥・収縮、地震などによってひび割れが発生することがあります。
小さなひび割れでも、そこから雨水が入り込む可能性があります。
また、窓まわりや外壁の取り合い部分など、雨水が集まりやすい場所も注意が必要です。
外壁塗装の現地調査では、単純に「壁が汚れているか」だけを見るのではなく、ひび割れの位置や大きさ、雨水が入り込む可能性のある場所なども確認します。
赤錆が出ている場所とひび割れの位置を合わせて見ることで、原因を考える手掛かりになることもあります。
錆は一度発生すると、自然に元の金属へ戻るものではありません。
腐食が進めば、金属部分の劣化が進行していきます。
また、錆が発生することで金属部分の体積が変化し、その影響によって周囲のモルタルに負担がかかる場合もあります。
その結果、外壁のひび割れや浮きなどにつながる可能性があります。
もちろん、赤錆が出ているからといって、すぐに重大な劣化が起きているとは限りません。
大切なのは、赤錆の大きさや発生している場所、周囲の外壁の状態などを確認して、現在どの程度の劣化なのかを判断することです。
外壁塗装の前には高圧洗浄を行います。
外壁表面に付着した汚れ、苔、藻、古い塗膜などを洗い流し、塗料が密着しやすい状態にするためです。
しかし、モルタル外壁の赤錆が内部から出ている場合、高圧洗浄だけで根本的に解決できるとは限りません。
表面の錆汁を洗い流して一時的にきれいになっても、内部で腐食が続いていれば、時間が経ってから再び赤茶色の跡が出てくることがあります。
そのため、洗浄だけで判断するのではなく、錆が出ている原因を確認することが重要になります。
外壁塗装では、赤錆が出ている部分をきれいな塗料で覆えば終わり、というわけではありません。
まずは外壁の状態を確認します。
ひび割れがあるのか。
外壁が浮いていないか。
塗膜が剥がれていないか。
赤錆がどこから出ているのか。
同じ場所から繰り返し錆汁が出ていないか。
こうした部分を確認したうえで、必要に応じてひび割れなどの下地処理を行い、塗装へ進みます。
外壁塗装では、下塗り材も非常に重要です。
外壁の状態に合った下塗り材を選び、下地の状態を整えてから中塗り、上塗りへと進めていきます。
ただ色を塗って赤錆を見えなくするのではなく、外壁の状態を確認してから適切な処理を行うことが、長くきれいな外壁を維持するためのポイントです。
モルタル外壁に現れた赤茶色の筋やシミ。
一見すると小さな汚れに見えるかもしれません。
しかし、その赤錆が外壁内部の金属部分から発生しているのであれば、建物が出している小さなサインとも考えられます。
外壁塗装は、単純に古くなった外壁を新しい色に塗り替えるだけの工事ではありません。
現地調査で建物の状態を確認し、劣化している部分を見つけ、必要な下地処理を行ってから塗装する。
この一つ一つの工程が、仕上がりとその後の外壁の状態につながっていきます。
もしご自宅のモルタル外壁に「赤茶色の筋がある」「錆のようなシミが出てきた」「洗っても同じ場所が赤くなる」という症状があれば、単なる汚れと決めつけず、一度外壁の状態を確認してみることをおすすめします。
リフォームかがやきでは、普段から外壁の表面だけではなく、その下にある状態まで考えながら現地調査・施工を行っています。
小さな変化を見逃さず、建物を長く守るための塗装工事を心掛けています。
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